【シドニー22日AAP】 22日、ナショナル・ラグビー・リーグ(NRL)史上最悪ともいえる詐欺行為が明るみになった。2007、2009年のリーグ覇者であり、毎年、常に上位に食い込む「メルボルン・ストームズ」が、選手への給与をNRLが規定する額よりさらに上乗せしていた。
NRLでは、各チームの公平性を保つため「サラリー・キャップ(Salary Cap)」制度が設けられている。例えば、日本のプロ野球では、金持ち球団が多額のお金を積むことで優秀な選手をかき集めるような不公平な行為がまかり通っているが、NRLではサラリー・キャップ制度によりこういった行為が制限されており、高給取りの優秀な選手が金持ちのチームに集中することがないので、事実上、NRLの試合を楽しいものにしている制度である。
今回、メルボルン・ストームズが行った詐欺というのは、このサラリー・キャップ制度を無視した行為で、チームが実際に選手に対し給与として支払っていた額は、NRLに選手の給与として計上していた額を大きく上回るもので、その額は5年間で170万ドルに上るという。
NRLは今回の件について、ストームズに対し以下の罰則を科した。
・ 2007年及び2009年プレミアシップ(リーグ優勝)はく奪
・ 50万ドルの罰金
・ 優勝などで得た賞金110万ドルの返済(他の15チームに分割・寄付される) など。