【キャンベラ11日AAP】 スワン連邦財相は11日、2010/11年度予算案を発表した。今年は選挙の年でもあり、その内容如何で与党の座にいる労働党の行く末を左右することもあり注目されていた。
財相による予算案発表のスピーチの中で1番注目されたのは、国家の赤字財政が当初の予測より3年も早く黒字に転換するであろうということ。2008年後半以降に連邦政府が行った経済刺激策に予算が大幅に投入されたため、国家財政は大きな赤字を抱えることになり、その回復には時間がかかるとみられていたが、諸外国が金融恐慌のあおりで苦しんでいた中、オーストラリアはその余波をうまく回避しながら国内経済を上昇させることができた。
スワン財相もスピーチの中で「オーストラリア経済の回復は、昨年立てられた予想よりはるかに素晴らしいものであり、世界の経済国の中で最も顕著な業績を残すことができた」と述べた。
2010/11年度の実質GDP伸び率の予想は3.25%。11/12年度は4.0%と予想されている。2009/10年度はマイナス0.5%だった。
今回発表された予算案の主な内容は以下のとおり。
・ <納税世帯> 低所得者の税オフセット額を1500ドルに引き上げ(領収書や会計士を用いる代わりに標準控除率を用いて確定申告することができるようになる)
・ <一次診療> 7億7200万ドルの予算。GPスーパー診療所及び診療所の増設に3億5500万ドル、看護師の訓練及び支援に5億2300万ドル。
・ <スポーツ> 3億2500万ドルの予算。エリート運動選手に2億3700万ドル、地域スポーツに7100万ドル。
・ <鉱業> 40%の超過利潤税(2012年7月1日より)
・ <医薬> 医薬品給付制度の改定。一部医薬品が値下げに。
・ <たばこ> 25%の価格引き上げ
など。