【ブリスベン10日AAP】 WWF(世界自然保護基金)は、毒性の高い農薬「エンドスルファン」がオーストラリアで使用され続けており、農場労働者に重大な健康上の危険が及んでいると指摘した。
米国環境保護局は今週、エンドスルファンには農場労働者に神経損傷や生殖の問題を引き起こす恐れがあり、野生生物にも危険であると結論づけた。エンドスルファンの危険性は広く知られているにもかかわらず、オーストラリアでは現在も、綿やマカデミアなど様々な作物に広く使用されているという。また、この農薬は先ごろ発生したヌーサ川の魚卵孵化場での魚の奇形にも関連していたとみられている。
WWFは、豪農薬・獣医学局(APVMA)がここ10年以上にわたり、少なくとも8種類の化学物質について調査中にしたままであることを批判した。2002年以来調査中となっている農薬「ジウロン」は、グレートバリアリーフ・マリンパークの海中植物やジュゴンに許容範囲を超える危険を及ぼしていると報告されているが、現在も販売され続けている。農薬「アトラジン」は2007年以降、欧州で使用禁止とされているが、オーストラリアでは現在も広く利用可能だという。