【メルボルン16日AAP】 VIC州のモ―ニントン半島やべラリン半島を中心に、ブルーリ潰瘍と呼ばれる感染症を引き起こすウイルスの感染が拡大していることが分かった。専門家グループは州や連邦政府に対し、感染拡大を抑えるための緊急対策予算を要請した。
ブルーリ潰瘍に感染した場合、長期にわたる障害や局部の壊死、患部の異形などを引き起こす。西アフリカおよび中央アフリカでの感染例が多く報告されているが、VIC州では2016年に182例、2017年に275例と急増し、今年はすでに30例が報告されている。抗生物質による治療が有効だが、医薬品給付・還付制度が適用されないため、患者は約1万4,000ドルを個人負担する必要がある。
また、症状が重くなるケースが増えているほか、新たな地域での感染も報告されている一方で、感染経路が不明なため、拡大を抑制する対策が十分になされていない状況だという。人間のほか、犬、ねこ、ポッサム、コアラなどへの感染も確認されたが、いずれも経路は分かっていない。研究者は「行動を起こすのは今だ」と、警鐘を鳴らしている。