【シドニー23日AAP】 オーストラリアの若者の間で、前十字靭帯(ACL)の損傷が急増し、世界最高の割合となっていることが、国内の大学の研究チームによる最新の調査で明らかになった。激しいトレーニングやスポーツシーズンの長期化が原因とみられ、早急な対策が必要と警鐘を鳴らしている。特にAFL、ラグビー、ネットボール、サッカー、スキーの練習で多発しているという。
グリフィス大学、シドニー大学、オーストラリア膝研究所の調査によると、国内における25歳以下の若者によるACLの損傷は、過去15年間で70%増加した。2000年~2015年の間では、約20万人がACLの再建手術を受けていたことが分かった。長期的に関節症や身体の障害につながる可能性があるという。
同研究を率いたクリストファー・ヴァーチュロ助教授は、急増の背景としてスポーツシーズンの長期間、激しいトレーニング、高いレベルの競争、自由な運動の不足があると指摘し、連邦政府に対し予防プログラムに予算を拠出するよう要請した。同助教授によると、ACL損傷の50~80%は、20~30分の敏しょう性を高める運動を、週に3回取り入れることで予防できるという。