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ブラック・ボックスの発明者が死去

【キャンベラ21日AAP】   航空機の事故原因究明の際に必ず用いられる「ブラック・ボックス」。フライト・データとボイス・レコーダーの別称だが、このブラック・ボックスを世界で最初に開発した研究者、デービッド・ワーレン氏が19日、メルボルンで息を引き取った。享年85歳。

ワーレン氏がブラック・ボックスを開発するきっかけとなったのは、1953年に発生した世界最初の旅客機墜落事故。生存者も目撃者もいないため、事故原因を究明することに多大の努力を要した中で、ブラック・ボックスのアイデアが生まれた。

同氏は、1952年から1983年まで国防省・科学技術協会で研究主任として勤務していたが、当初、ブラック・ボックスの必要性を訴えるワーレン氏に興味を示す人は少なかった。しかし、1956年に世界最初のフライト・データ・レコーダーの原型を設計・製作に成功。これが後に「ブラック・ボックス」と呼ばれるもので、現在では世界中の旅客機に標準搭載されている。

ワーレン氏は2002年、航空業界への貢献を認められ、国内で最も名誉ある勲章のひとつ「オーストラリア勲章」を受章。2008年には、カンタス航空が自社のエアバスA380に同氏の名前を付けた。

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