【シドニー6日AAP】 NSW州政府は、4500万ドルを拠出して同州に生息するコアラを保護すると発表した。森林地およそ2万5000ヘクタールをコアラのために確保する。
ベレジクリアン州首相は6日、「長期投資の第一ステップとして、コアラの明るい未来を保障する」と声明を発表した。植林や水源の確保などコミュニティによる取り組みに500万ドル、州内のコアラのデータベース開発に900万ドルが充てられる。
一方、環境保護者らはコアラのための土地確保は偽善だと話す。2017年に導入された土地開墾法によって、土地所有者は事前の環境調査なしで所有する森林地を切り開けるようになった。同法は今年3月、誤審として無効となったが、私有地のコアラ生息地の99%が開墾可能になったという。州自然保護協会のケイト・スモルスキ責任者は、「コアラの絶滅を防ぐには、森林伐採をやめ、農企業や開発企業によるコアラ生息地の整地を禁止し、コアラ国立公園の設立が有効だ」と声明で述べた。