【パース19日AAP】 19日、WA地方裁判所で、裁判で証言台に立つイスラム教徒の女性は、ブルカ(顔を覆うベール)を取って証言を行うよう言い渡された。
タスニームさん(36)は、2006年、イスラム教女子校理事のアンワー・サイド被告が、パース南部ケンウィックにある自身の学校の生徒数を偽り、州及び国からの補助金最高75万2000ドルを騙し取ったとされる件に関して、証人として出廷を求められた。しかし、タスニームさんは敬虔なイスラム教徒で、ブルカを17歳のときから着用していることもあり、証言の際にもブルカを着用できるよう求めていた。これに対し、サイド被告の弁護人は、ブルカを着用していると、陪審員が証言者の表情を読み取ることができず公平な裁判が行えないと訴えた。
この日の裁判で裁判長は、「ブルカ着用は謙虚さを示すもので個人的な好みであり、イスラム教が着用を強要しているものではない」として、証言台ではブルカを取るよう命じた。しかし一方で、タスニームさんの感情も考慮し、ビデオを介して証言できるようにするなど配慮を行うよう弁護・検察側に命じた。
ブルカはイスラム女性が公共の場に出る際に着用するもので、タスニームさんも、診察や歯の治療、出入国審査場や運転免許書の写真撮影時、また夫・子供や男性血縁者の前以外では常に着用している。