【シドニー17日AAP】 シドニーCBDと西部を結ぶ高速道路「ウエストコネックス」の売却について、オーストラリア自由競争・消費者委員会(ACCC)は、NSW州内のほとんどの高速道路を保有する道路運営会社トランスアーバンが買収した場合、市場の独占状態を招き、競争が弱まる可能性があると懸念を示している。
トランスアーバンは州内にある有料道路9つのうち、すでに7つを運営している。ACCCのシムズ会長は、同社がウエストコネックスを買収すれば、市場競争を妨げることになるとの見解を示しており、競合の他社が買収すれば、料金の値下げ、道路サービスの向上、交通渋滞の緩和などにつながるとしている。
一方、NSW州財務相の広報担当者は、ウエストコネックスの権益51%の売却は「激しい競争の道のり」だとした上で、「入札には複数の有力なコンソーシアムが参加している」と述べ、いずれの入札者もACCCを含む関係団体から承認を得る必要があると説明した。これに対し野党は「独占状態は消費者にとって決して好ましいものではなく、有料道路でも同じことだ」と批判した。