【シドニー9日AAP】 中国人民主運動家の劉暁波氏(54)への2010年ノーベル平和賞の授与が決まった。
在豪の中国民主化活動家チン・ジン氏は「中国が閉鎖された社会から開放へと向かうチャンスだ」、「現在、中国ではノーベル賞という用語をグーグルで検索することさえできない。授賞によって中国は変化を強いられることだろう。人々は、中国がこれ以上閉鎖された社会のままでいられないことに気づいている」と劉氏の授賞を歓迎した。
グリーン党のブラウン党首は「劉氏への平和賞授与を決定したオスロの勇気よって、中国の民主化についてはっきり物を言えないキャンベラの臆病さが強調された」と豪政府を批判した。
米国のクリントン国務長官は、投獄中の劉氏の即釈放を求める声明を発表し、「中国はここ30年間で急激な経済発展を遂げたが、政治改革は遅れている。私たちは、国際的な人権義務を是認し、全国民の基本的自由と人権を尊重するよう中国政府を促す」と述べた。
一方、中国の国営メディアはノーベル賞委員会を激しく非難し、人民日報系の英字紙グローバル・タイムスの社説では、「ノーベル平和賞は、反中国のための政治的手段に成り下がった」との意見が述べられた。