【キャンベラ8日AAP】 8日の国会では、ギラード首相が豪東海岸を襲った大洪水で犠牲になった人々への追悼メッセージを読み上げていた際に、涙で声を詰まらせる場面がみられた。ギラード首相は常日頃から、感情が顔に出ないことで批判を受けている。
水害が発生した昨年11月末以降、これまでに37人が洪水で死亡したと報告されており、ブリスベン西部ロッキャー・バレーでは現在でも複数の人が行方不明とされている。洪水被害を受けたQLD中央部及び南部、NSW州、VIC州、WA州では何千という家庭・事業が被災した。その後の巨大サイクロン「ヤシ」はQLD州北部に多大なダメージを与え、また国の反対側では、WA州パース郊外で発生した山火事で多数の家屋が全焼した。
この日、首相は演説の中で洪水の犠牲者の1人である13歳のジョーダン・ライス君について次のように語った。「勇敢なジョーダン君は、救助隊員に対して“僕より先に弟を助けてあげてください”と申し出た。隊員が弟を救助した後、ジョーダン君がいた場所に戻ると、既に水に流されてしまっていた。彼の勇気は命と引き換えとなった」。ジョーダン君は母親のドナさんと共に救助を待っていたが力尽き、洪水の犠牲となった。