【キャンベラ9日AAP】 連邦保守連合のアボット自由党党首がアフガニスタンを訪問した際に、豪軍兵士が死亡した状況について米軍隊長と話をしていた際に「Shit happens」と発言したことで、各方面から賛否両論を呼んでいる。
これは昨年10月、アボット党首がアフガニスタンのタリン・コウトを訪問した際に、タリバンとの交戦で死亡した豪軍のジャレッド・マッキニー上等兵が死亡した状況について米軍の隊長から話を聞いていた際に、アボット氏が「It's pretty obvious that, well, sometimes shit happens, doesn't it?」と発言した映像をセブン・ネットワークが放送したもの。アボット氏は、問題の映像が放送された後すぐ、マッキニー上等兵の遺族に対して謝罪をしている。
「Shit happens」はスラングで「そういうことも起こり得る」といった意味で、特に嫌なことがあった際に用いられるが、「SHIT」自体が好意的な意味を持つ単語ではないため、このフレーズは人の死に対して用いられるべき表現ではないと思われる。しかし、アフガニスタンで兵士と会話をしているという状況から、アボット氏はラフな会話のバランスを保つためにこう発言したとも考えられる。実際、その発言の後、相手の米軍隊長は「It certainly does, yeah.」(全くその通りです)と回答している。
この件に関して自由党議員の1人は「アボット氏は兵士たちに気持ちが明確に伝わる話し方をしている」とし同氏を完全に援護。また与党のスミス国防相も「厳しい問題に取り組んでいるときは、人それぞれその表現が違うものだ」とし、特に非難もなかった。一方でオーストラリア緑の党は、「政治家の発言は、私的なものでも批判を受けるものだ」と述べ、それが政治家としての責任でもあると話した。