【シドニー14日AAP】 オーストラリア原子力科学技術機関(ANSTO)で数カ月前まで会長を務めていたスウィトコスキー博士は、東日本大震災による日本の原発炉心溶融の影響は、地震やそれにともなう津波による被害に比べて小さいだろうとし、大量の放射能が放出される可能性は低いと話した。
スウィトコスキー氏は「おそらく、日本の原子炉は世界でみられるような精密なものだろう。しかし、今回のマグニチュード9.0の大地震によって、原子炉の設計の限界がテストされたことになった」とした。
さらに同氏は「現時点では最悪の状況に至っていない。しかし、一部の原子炉では燃料棒の冷却が十分にできない状態であるため、確実に炉心溶融の発生を防ぎ、放射能が漏れないように制御することに関して、深刻な懸念が生じているのは明らかである」と語った。