【キャンベラ1日AAP】 スワン連邦財相は1日発表のコメントの中で、国家財政黒字化のゴールを引き続き2012/13年度としながらも、東日本大震災の影響で輸出部門の収益激減が見込まれることから、来年度の予算案は非常に厳しい状況で作成されることになると述べた。
オーストラリア第2の輸出相手国である日本を襲った地震・津波によって、日本国内の非農産物を取り扱う主要港のうち6港が閉港状態、さらには5つの石炭発電所や多くの鉄鋼工場が壊滅状態にある。これによって、オーストラリアからの石炭及び鉄鉱石の日本向け輸出が激減することは避けられない。スワン財相によると、世界の鉄鉱石・石炭の価格は、日本の地震・津波発生直後に6~8%下落。この低価格は現在も続いている状態にあるという。
スワン財相は、日本の災害のみならずオーストラリア国内で発生した自然災害の影響も踏まえ、2010/11年度の輸出収益は20億ドル前後、下方修正されるとした。「こういった状況から、短期的な輸出収益は下落する可能性があるが、長期的にみると、日本の産業が立て直しされるにつれて非農産物の価格上昇が見込まれる。さらに、日本の再建事業では鉄鋼、石炭の大量需要があるとみているが、原子力関連の産物の需要は減少するであろう」と同財相。