【キャンベラ3日AAP】 先ごろ米軍によって殺害された国際テロ組織アルカイダ指導者ウサマ・ビンラディン容疑者が、パキスタンに長期にわたり潜伏していたとみられる件に関して、パキスタン政府が支援していたのではないかという見解がある中、ラッド連邦外相は、米政府の捜査結果を待つとコメントするにとどまった。
ラッド外相は「同問題には、関与すればするほど、今後明らかになる事実に驚かされるであろう」と述べ、個人的な見解は明言しなかった。一方で、同相は「パキスタンは政治的レベル以前に複雑な環境を持つ国である」とも話した。ビンラディン容疑者潜伏に関してギラード連邦首相は、同容疑者はパキスタン国内に支援ネットワークを保持していたという考えを述べている。
一方、元パキスタン高官はビンラディン容疑者潜伏問題に関して、「パキスタン政府が、同容疑者が潜伏していた建物に誰がいたのかを把握していなかったとは思えない」として、政府が潜伏を支援していたのではないかという見解を示唆した。しかしこの元高官は、米パキスタン間の関係修復のためにパキスタン側が米に同容疑者を引き渡したのではという意見については異論的な姿勢を示した。