【シドニー11日AAP】 非営利団体「シドニー平和財団」は、10日にロンドンで行われたセレモニーで、公文書公開サイト「ウィキリークス」の創始者であるジュリアン・アサンジ氏に金メダルを授与した。
同財団は、平和のために顕著な功績を残した人物に金メダルを授与しているが、14年前の財団創設以降、受賞者はネルソン・マンデラ氏、ダライ・ラマ氏、そして創価学会の池田大作氏の3人のみ。
財団の代表は、「ウィキリークスとアサンジ氏は、長い歴史を持つ政府の機密的体制に挑戦状を叩きつけ、人々に“知る権利”を獲得させたことで、ジャーナリズムと情報流通において新しい秩序が誕生する可能性を創り出した」としてアサンジ氏の功績をたたえた。一方、オーストラリア政府に対しては「違法行為をしていない国民を非難するよりも米政府の“全体主義”を支援するような真似を止めるべきだ」と抗議した。連邦政府は、ウィキリークスによる公文書を公開する行為は法に触れる可能性があるとしたが、アサンジ氏を起訴するには至っていない。
アサンジ氏は「今回の受賞とシドニー平和財団には、平和と正義の関係を明瞭なものにしたという本質的な価値がある」として受賞を喜んだ。同氏は昨年12月、強姦罪でスウェーデン当局に国際手配された後、ロンドンにて逮捕された。同氏をスウェーデンに引き渡すかどうかを決定する裁判は7月に行われる。