【ブリスベン16日AAP】 大手スーパー間の牛乳価格の値下げ競争は、酪農家が製品への適正な報酬を得られないように機能すると、英国の酪農団体の代表が語った。
QLD州酪農家協会(QDO)の招きで同州の農場を訪問中の英酪農団体「デイリーUK」のジム・ベッグ代表は16日、英国で起こった実際の経験から、大手スーパーによる価格戦略が、酪農業の存続にどのような影響を与えるかについて説明した。
これによると同代表は、値下げ競争が「牛乳市場の価値低下や製品の弱体化を引き起こす」として、前向きな動向ではないと語った。また、酪農業は消費者主体の産業なので、農家は最終的にサプライチェインに沿って交渉しなければならないことから、「業界が牛乳の生産コストの内訳を消費者に分かってもらい、投資額に見合った利益の出る製品を消費者に買ってもらう必要がある」と述べた。さらに、現在の危機状態への答えは規制にあるのではなく、市場での解決策にあるとも述べた。
一方、QDOのブライアン・テスマン会長は同代表の意見に同意し、これ以上の規制を望まないとしながらも、すべての者に公正な牛乳のサプライチェインを確保するための措置を連邦政府に取ってほしいと語った。