【シドニー2日AAP】 NSW州では現在、警察や看護師、教師など公務員の給与を含む産業関連法案の改正が検討されている。しかし、大学が行った調査結果では、同法案が施行されるとこれらの職業の給与は国内最低レベルになることが指摘された。
シドニー大学内・労働環境研究センターによる調査結果では、現在検討されている公務員給与に関する法案が10年前に施行されていたとすれば、公務員の給与は正看護師で年間1万2232ドル、巡査長レベルの警官で年間8961ドル、教師では1万4850ドルほど現在よりも下回っている計算になることが明らかにされた。また、同州におけるこれらの職業の現在の給与は、他州や一般企業のそれと比較しても大差はないという。
NSW州労働組合側は「この調査結果は、州政府が現在検討している新法案では職場の権利がはく奪されることが明確になった。これらの職業の人々は他州と比較し適切な額の給与を受けているが、彼らが住んでいるのはシドニーという国内で最も物価が高い都市であることを忘れてはいけない」と述べ、新法案導入に真っ向から反対する姿勢を示した。
オファレルNSW州首相は、2週間後の議会再会時に同法案について議論を開始するとしている。同法案には既に1万5000人の反対署名が集まっているほか、野党も反対としており、上院での投票を求めることも示唆している。