【シドニー24日AAP】 シドニーCBD中心部でカフェを経営していたアンジェラ・ヴィソルカスさんは、16年続いたカフェの閉店は長引くライトレール工事が原因だとして、NSW州政府に不満を訴えている。ヴィソルカスさんはまた、州政府による賃貸料の助成についても受給条件が厳しすぎると批判している。
シドニー市の評議員も務めるヴィソルカスさんは、「CBDで最も人通りが多いと言われる場所で商売が成り立たない状況で、生き残れる商売は何もない」と訴え、客は騒音を避けるため減る一方だと説明。「工事が始まった最初の日から(客足をどうひきとめるのかが)最大の疑問だった」と述べた。
シドニーCBDとシドニー西部を結ぶライトレール工事には当初、16億ドルの予算が組まれたが、その後、工事の遅れや建設会社との契約関連の問題により、総工費の見積もり額は21億ドルにまで膨れ上がっている。また、州政府は86店舗を対象に900万ドルの賃貸料助成を拠出しているが、ヴィソルカスさんは「心臓切開の手術にバンドエイドを貼るようなもので、その場しのぎに過ぎない」と批判した。