【シドニー14日AAP】 NSW州の独立価格規制審査委員会(IPART)は14日、同州の電気代を来月1日より平均17.3%引き上げる決定をしたと発表した。要因としてネットワーク維持費の急高騰や連邦政府の再生可能エネルギー目標(RET)計画導入などを挙げている。
電気代の上昇率は、AusGrid(元エナジー・オーストラリア)契約者で17.9%、インテグラル・エナジー社は15.5%、カントリー・エナジー社は18.1%。州全体の平均上昇率は17.3%。実際の価格では、平均的な家庭では年間216ドルから316ドルの上昇。平均的な契約企業では年間307ドルから528ドル上昇となる。さらに、IPARTは再来年度にも2-10%ほどの電気代上昇を計画しているという。
IPARTは今回の発表に対して、「電力会社が負担するネットワーク維持費は来年度に急上昇する予定で、さらに連邦政府のRET計画で設定されている目標を達成するという法的義務がある。もちろん電力使用の多い家庭や低所得家庭への負担上昇を懸念している」と述べた。一方、太陽熱システム設置の助成金制度が廃止されることから、今までこの助成金に充てられていた州政府予算が電力コストに充当されていることに触れ、これがなければ今回発表された電気代の上昇率はさらに高いものとなっていたはずだとした。