【シドニー31日AAP】 NSW州と首都特別地域(ACT)の保健当局は、減量ピルの摂取が原因とみられる死亡事故が多発しており、死因が“シュレッダーズ”として知られる毒性の高い化学物質だとして注意を呼びかけている。死亡例は国内外で報告されている。
NSW州とACT保健当局によると、2,4-ジニトロフェノール(2,4-Dinitrophenol)またはDNPと呼ばれる有機化合物が配合された減量ピルを摂取して死亡した例が、国内外で報告されているという。これを摂取すると、エネルギーが脂肪に蓄積される代わりに熱となって体温を上昇させ、筋肉や腎臓、脳にダメージを与えるという。
NSW州毒物情報センターのマクアードル博士は、DNPは極めて毒性の高い物質だと指摘。「少量ならば安全という神話がある」として、「化学物質を含んだ薬を服用した場合、解毒剤もなければ、最新の医療技術を使っても死に至ることがある」と話した。