【ブリスベン7日AAP】 インドネシア向けの生きた牛の輸出を解禁するという連邦政府の決定について、QLD州政府は歓迎している一方で、動物権利擁護団体は恥ずべき撤退行為だとして非難している。
ラドウィグ連邦農相は6日夜、3.2億ドル規模の牛輸出市場における輸出解禁を発表した。これは、牛に対する非人道的な食肉処理への懸念から対インドネシア輸出を禁止してから、ちょうど1か月に当たる。
この決定についてQLD州のマルヘレン農相は、「同州の牛肉産業にとって家畜の輸出は重要だが、それには輸出相手国との適切な動物保護基準の厳守とのバランスも必要だ」として、「(今回の)発表は両方の問題に取り組んでいるので、州産業全体から歓迎されることは間違いない」と述べた。
一方、多くの動物権利擁護団体は、この連邦政府の決定に反対している。大学で経済学を教えているパトリシア・ピーターセン博士は、「初めから分かっていたことだが、連邦政府は有権者の怒りを静めるために家畜の輸出を一時的に禁止したことが明らかになった」とし、「動物保護問題への懸念とは全く無関係のものだった。まったく忌まわしいことだ」と非難。王立動物虐待防止協会(RSPCA)やアニマルズ・オーストラリアも、食肉処理の前に牛を気絶させるという人道的な方法が取られる保証はないと批判している。