【パース19日AAP】 オーストラリアのビザの取得に義務付けられている英語能力テストの点数を改ざんする詐欺事件に関わった9人の男に対し、パース地方裁判所は厳重な処罰を下した。その判決について移民省は、同国の移民制度における不正者は直ちに対処されることを周知させる出来事として歓迎した。
永住権、就労ビザ、学生ビザの申請者は現在、アイエルツ(IELTS)と呼ばれる試験制度の下で、7点以上の平均スコアを取る必要がある。同テストが実施されたカーティン大学のイングリッシュ・ランゲージ・センターでの詐欺事件では、当時大学職員であったコック・キース・ロウ容疑者(32)が2009~10年の10ヵ月間にわたり賄賂を受け取っていたとして、15件の訴因で2年の禁固刑に処せられた。また主犯のひとりとみられるアブドゥル・カダール容疑者(27)も、仲介役として何千ドルもの金銭を受け取ったとして、賄賂など14件の訴因で1年6ヵ月の禁固刑に処せられた。
移民省によると、この詐欺事件に関係するすべてのビザ申請を現在調査中であり、結果としてビザの拒否やキャンセルとなる可能性が高いという。同省では今年に入り、新しい詐欺防止規定を導入したばかり。導入前は、詐欺的情報が提供された場合でも、申請者が申請条件を満たす適切な情報を事後提出することができたが、導入後は、不正や誤解を招く情報が提供された時点で、移民省が申請を却下できるようになった。