【アデレード20日AAP】 労働党のクレイグ・トムソン連邦議員が組合のクレジットカードを使って娼婦への支払いを行ったとされる疑惑について、自由党のアボット野党党首は、ギラード首相が説明しなければならない問題だと語った。同党首は同議員の辞任要請までには至らなかったものの、ますます膨らむ疑惑によって連邦政府が麻痺状態に陥っているとして、首相に対して事態の迅速な収拾を要求した。
トムソン氏が医療サービス組合(HSU)で連邦議長を務めていた2006年、同氏の名前で予約されたメルボルンのホテルの客室から、同市内の2ヵ所の売春宿に電話がかけられたとされている。しかし、クレジットカードによる売春行為への支払いについて、同氏は繰り返し否定している。別の件でも同氏は、フェアファックス社を相手取った名誉毀損の訴訟を止めた後、破産を回避するために労働党のNSW支部が同氏の弁護士らに対し、9万ドルとも言われている「大金」を支払った事実の公開を遅らせたと批判されている。
これらの疑惑についてギラード首相とスワン副首相の両者は、トムソン氏が疑惑を否定していることについてだけ触れ、現在調査中の段階であることから、党の方針を述べるには至らないとした。これに対しアボット野党党首は、「首相が説明を行い、そして対処しなければならない」問題だとし、「首相が特定議員に関する疑問点に立ち向かいたくないために政府が麻痺することを、我々は許すわけにはいかない」と強く非難した。