【ケアンズ6日AAP】 200年前、QLD州遠隔北部タウンズビル地域に住む先住民に使われていたウォロンゴ言語。その最後の継承者は、日本人の言語学者だという。
角田太作氏はオーストラリア先住民の言語や危機言語(消滅の危機にある言語)を専門とする言語学者。メルボルンにあるモナシュ大学で勉強をしていた1970年代初頭、QLD州パーム・アイランドに旅行した際、ウォロンゴ言語を母国語とする最後の先住民、アルフ・パーマー氏に出会った。角田氏は「パーマー氏が6時間にわたり、1500単語や文法など、ウォロンゴ言語のすべてを伝えてくれたものを録音した。危機言語の保存の重要性を私に伝えてくれたのはパーマー氏である」と話した。
角田氏は、オーストラリア読み書き・計算連盟の招待を受け、6日、パーム・アイランドを訪問する。ここでは、同島に住む子どもたちにウォロンゴ言語を教える予定。ほとんどの先住民の言語はラテン語(英語の元となった言語)と構造が似ているため、英語レベルが標準以下というケースが多い先住民系の子どもたちが、ウォロンゴ言語を習得すれば英語も学びやすくなるのではないかと期待されている。