【キャンベラ7日AAP】 オーストラリアとマレーシアの間で検討されている難民交換協定に関して、先日、高等裁判所が違法であるとの判決を出したことを受けて、連邦政府は野党の協力の下、移民法を改定するなどの方向で動きを進めている。
難民船でオーストラリアに到着する亡命希望者は毎月最高600人と言われており、すべてを国内で処理するとなると、現存の移民勾留所は一年で溢れかえってしまうと予想されている。この問題に対処するために現在検討されているのが豪マ難民交換協定で、オーストラリアに難民船で到着する亡命希望者をマレーシアに移送する代わりに、同国の難民をオーストラリアが受け入れるというもの。しかし先日、高等裁判所は、マレーシアの安全性や人権問題などを考慮するとこの協定の内容は違法であるという判決を出した。
アボット野党党首は、国外での亡命希望者処理のための法改正には同意するが、マレーシアが良い選択肢ではないことは連邦首相と移民相以外は皆が分かっていることだとした。また同党首は、ハワード政権時に設立されラッド前首相によって廃止となったナウル共和国の移民勾留所の再開も選択肢だとしている。ギラード首相は7日、先日の高裁判決に対する対応も決まっていない中でナウル共和国など諸外国と移民勾留所問題に関して話し合う予定はないと明言した。