【シドニー30日AAP】 支持率低迷が続くギラード首相に対して、ラッド現外相を首相の座に求める世論が高まっている。これに関してアボット野党党首は「ラッド氏が首相に返り咲きしても、何の希望もない」として現与党の基盤の弱さを非難した。
アボット氏は「私は、現与党は非常にもろく完璧さに欠けるということを常に思ってきた。首相が代わったところで政府の不安定さがさらに増すだけだ」と述べ、「もしラッド氏が首相に返り咲きしても、彼の人気のピークは首相の座についた翌日で、後は下降線をたどるだけ」と話した。
30日発表の世論調査「ギャラクシー・ポール」では、60%の有権者がラッド氏を支持。ギラード首相支持としたのは26%だった。選挙で勝つために「ラッド氏が党首となるべき」とした人は68%、ギラード首相を選んだ人はわずか22%。一方で、60%の回答者が「党首が代わっても自分のひいきの党は変わらない」としている。
昨年、ラッド氏は首相の座を追われギラード首相に引き渡したが、その後行われた連邦選挙で労働党は完全勝利を収めることはできず、無所属議員を取り込むことでなんとか与党にとどまることができた。