【ブリスベン19日AAP】 ギラード首相が16日に発表したところによると、米国はオーストラリアとの二カ国間協定のもと、2012年からオーストラリア国内での軍事活動を強化することになる。軍事演習の場所としてダーウィンが上がっており、軍事強化により同国に対するテロ攻撃の危険性が増すことが懸念されている。しかしクイーンズランド大学の専門家は、多くの米軍基地がすでに世界中に設置されていることから、ダーウィンだけが特別に標的にされることはないだろうと述べた。
同協定のもと、オーストラリアは2016年までに2500人の米海兵隊員を定期的に受け入れることになっている。同国内で米国が独自演習を公式に許可されるのは初めてのことだ。なお外務省の発表によると、日本には3万5000人、韓国には3万人の米兵が駐屯しているという。
クイーンズランド大学で国際安全保障、テロリズム、北大西洋条約機構を研究しているマリアン・ハンソン教授は、オーストラリアが「もちろん理論上は(標的)とされる可能性はある」としつつも、「世界中の多くの国に米軍基地は数多く存在しており、(ダーウィンの)基地だけが特別に狙われる理由は全くない」と述べた。また、軍人よりも一般市民を狙う残虐行為のほうが世間の恐怖を駆り立てることから、テロリストは民間人を狙う傾向が強いとした。