【キャンベラ26日AAP】 アボット野党党首が先住民アボリジニに対して差別的な発言をしたとし、強い憤りを見せたアボリジニのデモ隊は26日、アボット野党党首とギラード首相が臨席していたキャンベラの全国緊急サービスの表彰式を包囲し、大混乱が発生した。
アボット野党党首は同日朝、アボリジニの先住権運動の拠点として、キャンベラの旧国会議事堂前で創立されたアボリジニ・テント・エンバシー(ATE)をめぐって、「アボリジニの先住権運動について事態が大いに改善し、アボリジニは全てのオーストラリア人に尊敬されていることに誇りを持てると思うが、ATEを離れていただき、将来に向けて前進する時代になったかも知れない」と述べた。
ATEは、アボリジニの男性4人が1972年1月27日に、キャンベラの旧国会議事堂前でビーチパラソルを差し、先住権の抗議として野宿を続け、その応援者が現場に駆け付けてテントを張ったことを契機に、創立された。
敷地内で40周年記念に集まっていたATEの運動家およそ200人が、アボット野党党首の発言を差別的に受け止め、アボット野党党首とギラード首相がキャンベラのレストランで開催された全国緊急サービスの表彰式に臨席していたにもかかわらず、その周りを包囲し、暴力的な抗議デモを繰り広げた。
警官およそ50人が現場に駆け付け、両首脳を救助したが、ギラード首相が片方の靴を失うなど、大混乱が発生した。両首脳にけがはなかったという。