【シドニー20日AAP】 長年に渡り、麻薬や銃の犯罪組織がコモンウェルス銀行(CBA)のATMを使ってマネーロンダリング(不正資金洗浄)を行っていた問題で、同銀行は責任を認めた。
2017年に政府の金融情報局が民事訴訟を開始する数年前から、同銀行がマネーロンダリング防止とテロ資金対策(AML/CTF)の責任問題を認識していたとわかった。CBAは制裁金7憶ドルの支払いに合意。不正資金洗浄問題では国内最大の制裁だ。
焦点は同銀行のATMに置かれた。インテリジェント入金機(IDM)での入金は、自動で同銀行の口座に届く。同銀行は2012年にIDMを導入したが、2017年11月まで1日の入金額上限を設定しなかった。CBA口座を介した不正資金には、薬物や銃の輸入・流通組織の利益が含まれた。
マット・コミンCEOは「リスクを適切に管理していなかった」と述べ、違反の重大さを認めた。また、「AML/CTFのリスクは出続けるものであり、私の在職中に“十分安心”と言える日はないだろう」と語った。
2016年から同銀行の重役を務めるキャサリン・リビングストーン会長は、「オーストラリア取引報告分析センター(AUSTRAC)からの法令通達に懸念を示したが、経営陣から安心するよう言われた」と述べた。スキャンダルによって、同銀行のイアン・ナレブ前CEOは辞任に追い込まれた。