【シドニー9日AAP】 極度の動物虐待により閉鎖処分を受けていたシドニーの食肉工場が、従業員からの新たな証言にも関わらず、12日から営業を再開するという。その動きに、動物愛護団体からは反対の声があがっている。
ABC局の報道番組「レイトライン」で先月、豚の頭部を金属パイプで殴打しているビデオ映像が放映された後、ホークスベリー・バレー・ミート・プロセッサーズ社に対して殺処理の停止処分が命じられた。NSW州食品局の話では、同番組で放映された羊、牛、ヤギ、豚の殺処理方法は、現行の食品規制と動物虐待防止規制に違反しているという。しかし同社は放映直後、事件に関わった非常勤社員を解雇し、同正社員を他の任務に就かせた。
食品局では、いまだ調査は終了していないものの、同社が要求基準に準拠するよう社員教育を実施し、工場施設の改善、監視カメラの設置など行ったとして、一定の条件のもとでの営業再開を許可した。
一方、動物愛護団体「アニマル・リベレーション」では、同社社員が電気製のつき棒を牛の肛門に挿入したり性器に当てたりするなど、再開差し止めを裏付ける新たな証拠が従業員2人から得られたとして、営業再開に反対している。