【ホバート10日AAP】 ポートアーサー事件の犯人マーティン・ブライアントが描かれた絵画に対し、3万5000ドルの美術賞が授与された。これをめぐりTAS州では議論が巻き起こっている。
シドニーを拠点に活動中のローンセストン出身の画家ロドニー・ポープル氏は、「ポートアーサー」という画題の風景画でグローバー賞を受賞した。同作品には、流刑囚居住地区に銃を持ったブライアントの姿が描かれている。同作品について3人の審査員は、19世紀のタスマニア絵画とのつながりを持ちながらも、ポートアーサーの歴史を描写しているとして称賛している。
しかし、ポートアーサー事件では35人が殺害された事実から、同事件を担当したジョン・ウォレン元検査官は、「一生の傷を負った犠牲者や人々全員に対し、人がどのようにしたらこのように無神経な態度を取れるのか理解できない」と強く批判した。
これを受けてポープル氏は、「決してマーティン・ブライアントを美化しているわけでないが、無視することも間違った方向を見ていることになる」と反論した。