【メルボルン11日AAP】 東日本大震災発生から丸一年。地震や津波の被害もさることながら、二次災害として発生した福島原子力発電所の事故で、漏れ出した放射能の中で現在も地元の人は生活を送っている。在メルボルン在住の福島県出身の女性が、現在も地元に住む家族への思いを語った。
ナガミ・ショウコさん(62)は20歳の時に故郷の福島県を後にしオーストラリアに移住。ナガミさんの兄妹3人は現在も福島県に住んでいて、兄は福島第一原発から55キロの地点に自宅がある。ナガミさん曰く、彼らは福島から離れたくとも金銭的余裕がないという。
ナガミさんは昨年10月、福島県を訪れた際に、放射能に汚染された果物が収穫されないまま枯れている姿を見た。「放射能は無臭・無色で、景色は以前と全く変わらないけど、放射能測定をすると現実を思い知らされる。兄妹の健康が心配だ」と話した。
11日、メルボルン市中心では、邦人団体「Japanese for Peace」が「豪州ウラン採掘反対集会」を行った。同団体のスポークスウーマン、プレストン・カズヨさんは「核問題のサイクルを動かしているのはオーストラリアのウラン採掘である。福島原発で使用されるウランもオーストラリアのもの。オーストラリアがウラン輸出を停止すれば福島原発のような事故は発生しない」と述べた。