【キャンベラ26日AAP】 政府のフォーカスグループが行った調査では、毎年行われる「アンザック・デー」の式典は、現在のオーストラリアにみられる多種文化に対して「諸刃の剣」となる可能性があると指摘した。ギラード連邦首相はこれに対し「全くもって異存」と述べた。
ニューズ・リミテッドが26日付で伝えたところによると、この調査報告では、オーストラリア軍の戦争史を現在の多種文化の中で祝うアンザック・デーの式典は、異人種が共存する現在のオーストラリア社会の中で論争の種をまく結果になり得ないと指摘。また、若者らは現在のアンザック・デーに関する論議を避ける傾向にあるとした。
これに対して現在韓国を訪問中のギラード連邦首相は、自身の幼少時代にダウン・サービス(アンザック・デーの式典)に参加したがっていたのは大人よりも子ども達であったとし、「若いオーストラリア人がアンザック・デーを祝うことに関して熱意を持っていることを知っていれば、国民として、同式典は非常に意味を持つものだと思う」と述べ、調査結果に真っ向から異存するとした。
国民の祝日であるアンザック・デー(4月25日)は、第一次世界大戦のガリポリの戦いで勇敢に戦ったオーストラリア・ニュージーランド軍団(ANZAC)の兵士たちと、当時国の為に尽力した人々のために追悼を行うためにもうけられたもので、2015年には100周年を迎える。