【シドニー2日AAP】 NSW州は、未熟児の赤ちゃんに飲ませるための母乳バンクを設立した。毎年同州で生まれる未熟児およそ1,000人に、母乳2,000リットル以上が必要と見積もられる。
オーストラリア赤十字は2日、シドニー西部のネピアン病院に最初の母乳を届けた。同病院はNSW州に9か所ある新生児集中治療室(NICU)の1つ。寄付された母乳は検査や処理を経て、未熟児に与えられる。
シドニーのキャサリン・ピエルポントさん(31)は、14リットル近くの母乳を寄付した。自らも妊娠30週で娘を出産したピエルポントさんは、「未熟児の子を産むショックと不安がわかる」と話す。数週間の搾乳後、ピエルポントさんは溜まった母乳を無駄にせず、寄付することにした。
母乳バンクのクリスティーン・サルファノ責任者は、基準を満たす女性に母乳の寄付を呼び掛ける。寄付する女性は、生活スタイルの質問や血液検査などを受ける必要がある。また、自らの子どもを育てるのに十分な母乳量があると証明し、さらにその子どもの健康に関する質問にも答える必要がある。