【キャンベラ30日AAP】 ギラード連邦首相率いる与党労働党はここ最近、党議員のスキャンダルが立て続けに明るみに出ており、党首としてのギラード氏のリーダーシップが新たに問われている。
最近取り上げられている労働党議員のスキャンダルとして、スリッパー下院議長は、セクハラ疑惑で元側近から民事裁判で訴えられている一方、税金で支払われるタクシー乗車券を不正使用したとして捜査を受けていることから議長の座を一時的に離れることになったが、ギラード首相は、疑惑が解明されるまで議長離席の期間を延長するようスリッパー氏に求めた。
またトムソン議員は、医療関係者の労組「ヘルス・サービス・ユニオン」のトップを務めていた際に、組合の資金を不正使用したという疑惑が浮上しており、29日、ギラード首相は同議員に対して労働党を一時的に離党するよう要請した。
ギラード首相は、こういった行動を取ることで党のスキャンダルを中和させ、来月発表される来年度予算案に向けてリーダーシップを取るようにしたい意向にあるが、周囲ではここに来て「首相は何故もっと早く行動を起こさなかったのか」と言った不満の声が聞こえている。首相は、スキャンダルの内容が重く議会を尊重する能力を鈍らせられたとして自身の言動を擁護した。