【シドニー5日AAP】 4年前に暴行事件を起こして罰金刑に処せられた水泳のニック・ダーシー選手がロンドン・オリンピックの出場選手に選ばれた。この選考について、豪オリンピック委員会のジョン・コーツ会長は自己弁護し、豪水泳協会も秘密の取引があったことを否定した。
メダル取得候補のダーシー選手(24)は2008年シドニーのバーで、水泳仲間のサイモン・カウリー選手(31)に暴行したとして起訴され、37万ドルの賠償金などを支払うよう命じられた。しかし、ダーシー選手は自己破産を宣告。一方、暴行事件の結果、ダーシー選手は同年開催の北京オリンピックと翌年のローマ世界選手権に出場できなかった。
このような経緯から、ロンドン・オリンピックにも選抜されないという憶測が流れていたにも関わらず、同選手は選抜された。これについて、暴行後に顔の外科手術を受けなければならないほど負傷した被害者のカウリー選手は、水泳協会とダーシー選手の間で「秘密の取引」が行われたと主張している。しかし、同協会のデービッド・ アーカート会長は、ダーシー選手の選抜に倫理的問題はなく適切であったと反論し、秘密の取引についても全面的に否定している。