【キャンベラ8日AAP】 スワン連邦財相は8日、2012/13年度の予算案を発表した。国内で続く鉱山ブームを低所得家庭に反映させ、かつ財政赤字を黒字に回復させることに焦点を置いた内容となっっている。スワン財相は、欧米経済が現在も不安定である一方アジアでは好景気の兆しがあり、オーストラリアでも、経済回復・安定の予兆がみられていると話した。
予算案では、生活助成金「Family Tax Benefit A」引き上げに18億ドルの予算を投入。2013年7月1日を導入目処とする。これによって150万世帯に対する助成金が年間600ドル増となる。また、失業者、学生、若い年齢の子を持つ親に対する新しい助成金も2013年3月から導入。また7月1日以降、非課税収入額が6000ドルから1万8200ドルに引き上げられ、低所得者にはうれしいニュースとなる。
一方、与党労働党の選挙公約だった企業への税率削減は断念され、一番所得が低い片親世帯への助成金は最高週60ドルほどカットされる。また、国防省への予算を54億ドルカット、また対外援助予算の29億ドル投入を見送った。
財政赤字回復に関してスワン財相は、2012/13年度財政を15億ドルの黒字に戻し、今後最低4年間は黒字を保つことができる見通しであるとしている。財政回復の収入源には、企業への税金カット断念や所得税控除の内容変更などが含まれる。