【シドニー25日AAP】 2件の強盗事件を犯した後、追跡する警察から逃れようとし、無実の市民の車両に衝突して女児を死なせた男に対する裁判が25日、シドニーの地方裁判所で行われ、裁判長は被告に懲役最低14年を言い渡した。
ウイリアム・ヌガティ被告(29)は2009年12月31日、ピークハーストとイーストヒルズにある酒店に強盗に入った後、警察の追跡を受けた。その後、ヌガティ被告の車両はサシーンさん一家の車両後部に衝突。乗っていたスカイ・サシーンちゃんが死亡した。同被告は車両を乗り捨て他の車両をカージャックしようとしたが警察に逮捕された。
この日の裁判で裁判長は、故殺罪で懲役最低8カ月半の併科刑、スカイちゃんを死に導いた強盗事件2件に関する罪で懲役最低5年半とした。裁判長は、判決言い渡し直前に被告が故意罪では無実を主張したことに関して、「被告が無実の子どもを傷つけるつもりではなかったことは認めるが、女児が死亡したのはあくまで悲しい事故であったと主張する被告の言い分からは罪に対する意識が感じられない」と述べた。
死亡したスカイちゃんの父親であるジャスティン・ライトさんは裁判の後、「事故から2年半。やっと気持ちの整理をつけることができる」と話し、判決内容に満足していると述べた。この事件は、警察による高速でのカーチェースに関する新たな法律、いわゆる「Skye‘s Law」の制定のきっかけとなった。ライトさんは「これ以上自分たちのような目に遭う家族が無くなるよう法律が見守る」と述べた。