【シドニー4日AAP】 動物愛護団体がNSW州の養豚場で撮影した、不潔で残酷な飼育環境の映像を当局に提供した。映像には、多数のバケツに入れられた死亡した子豚や、作業員が雌豚を殴打する様子、またハエが蔓延している状態が映し出されていた。
アニマル・リベレーションによる映像を見た当局は3日、問題の養豚場を強制捜査した。同団体のマーク・ピアソン州支部長の話では、「この養豚場は工場飼育の最悪例のひとつであり、動物は『生産機械』のように扱われ、動物の苦しみを全く無視している」という。
これを受けて養豚業界のロビー団体であるオーストラリアン・ポーク・リミテッドのアンドリュー・スペンサー会長は、「ぞっとした」と述べた。また声明文の中で、「動物愛護の点で、オーストラリアの養豚業者の大半は、世界のベストプラクティスに厳格に準拠している」とし、「このような豚の扱い方は一切黙認できない」と語った。
来年7月1日以降、NSW州の食肉処理場では、動物愛護担当者が動物福祉の監視と責任を負うことが義務化される。また、抜き打ち監査への準拠も強化される。