【キャンベラ5日AAP】 ウィキリークスの創始者、ジュリアン・アサンジ氏が国外にいる間は、米国への送還をオーストラリア政府が阻止する手段はあまりないと、ロクソン法務長官が表明した。
アサンジ氏は性的暴行の容疑をかけられているスウェーデンへの送還を回避するため、現在、ロンドンにあるエクアドル大使館に身をひそめ、亡命を求めている。同氏は、ウィキリークスが米国の軍事文書や外交文書を大量に一般公開した件で、米国に送還され起訴されることを恐れている。
これについて法務長官は、「同氏がオーストラリア国内にいない限り、たとえオーストラリア国民であったとしても、(自国の)法手続きと同じ方法で干渉する権利はない」と述べた。また、「アサンジ氏はほかのどの国民とも同じすべての保護を受ける権利があり、外交的な全手段を引き続き用いるつもりだ」としつつも、「実際のところ、同氏はほかの国民以上の権利を有しておらず、この件ではこれまでそのバランスが見落とされてきた」と述べた。この発言の目的は、政府が怠慢だとの個人的非難の矛先が、法務長官に向けられてきたことへの反論のようだ。