【メルボルン14日AAP】 投薬、強盗、性的暴行を受けたと被害妄想を持った精神分裂病の男が、犯人だと信じ込んでいた友人2人を殺害した件で、男に25年の禁固刑が言い渡された。
アダム・コシアン容疑者(54)は2010年8月、メルボルンのカールトンの賭博場でボリス・コストフさん(60)とゴラン・ヴァシックさん(44)を銃殺。殺害後にヴァシックさんの遺体の上に豚の置物を2個置いたという。
コシアン容疑者は1997年、内戦を避けるため母国のアゼルバイジャンを離れ、オーストラリアに移住した。しかし移住後、ラジオから自分に話しかける声を聴いたり、テレビ画面に死亡した妻の遺体の画像を見始めたため、妄想型精神分裂病と診断され、投薬治療を開始した。しかし、入院中の2006年に再発したが、かかりつけの医師が治療薬の処方を怠ったため、3年間治療を受けなかった。
裁判長は判決の中で、コシアン容疑者は犯行後も、性的暴行を受けたと信じ続けたため、被害者に対する後悔や共感の念を一度も表さなかったとした。また最高25年、最低でも20年の禁固刑を下した主な理由として、再犯の可能性があるとして一般社会の保護を挙げた。