【シドニー29日AAP】 携帯電話会社「ボーダフォン」は29日、国内での事業不振に伴い500人の人材削減を行うことを発表した。対象者はシドニー本社に勤めるスタッフがほとんどとみられており、今週末までに解雇通知が渡される。同社のビル・モロー社長は声明の中で、「ボーダフォンは事業体制を整え、より効率的に顧客のニーズに応えられるように努力していく」と述べた。
ボーダフォンでは、昨年1月に大規模なネットワーク障害が発生したことをきっかけに顧客離れが続き、2012年度上半期で17万8000人の顧客を失い、同時期に1億3130万ドルの損失を出した。さらに、昨年1月以降、顧客からの苦情件数は半減したと同社では発表しているが、通信産業監視機関では、2011/12年度の1年間で、ボーダフォンに対する苦情件数は11.3%増加したとしている。
モロー社長は、今後は経費削減を行い、ワイヤレスデータ・ネットワークの向上に焦点を当てるとしている。「まだ充分でないことは分かっているが、努力を続けることで市場のニーズに応えられるようにしたい」と同社長。