【メルボルン26日AAP】 カトリック教会のジョージ・ペル枢機卿(すうききょう)が26日、児童性的虐待で有罪判決を受けた。児童性犯罪に問われた聖職者としては最高位。
ペル被告は1996年、セント・パトリックス・カテドラルで少年1人に性的暴行を加え、もう1人にもみだらな行為を行った。少年らは当時13歳だった。被告は1970年代にもVIC州バララで少年らに性的虐待を行っていたとされる。30代の被害者の1人は「人生に及ぼした影響を理解するのに、何年もかかった」と声明を発表した。辱めや孤独、鬱(うつ)に苦しむという。もう1人の被害者は2014年にヘロインの過剰投与で死亡しており、父親が訴訟を起こす構えだ。
昨年12月、メルボルンの陪審はペル被告を児童性的虐待5件で有罪としていた。同被告は無罪を主張しており、弁護士も上訴する姿勢を表している。
ペル被告の有罪判決が明らかになって即、バララのセント・パトリックス・カレッジは建物から同被告の名前を削除した。リッチモンド・フットボールクラブも、同被告を副後援者から外した。被告が2005年に受章したオーストラリア勲章についても、取り消しを求める署名活動が行われている。
オーストラリア・カトリック中央協議会のマーク・コールリッジ氏は、「報道を聞いて驚いたが、公正に裁かれることを祈る。被害者と家族のことを思う」とコメントした。