【キャンベラ21日AAP】 南洋での日本の捕鯨シーズン到来に先駆け、オーストラリア、米国、ニュージーランド、オランダの各政府は21日、共同声明文を発表した。4か国は日本の捕鯨船員と抗議活動家ら両者に対し、「海上で人命を危険にさらす行動」を強く非難し、理性ある行動を要請している。
米国では今週、控訴裁判所で反捕鯨団体「シーシェパード」とそのポール・ワトソン会長に対し、捕鯨船への物質・身体的な攻撃を禁止する命令が下されたばかり。日本の調査捕鯨を実施している「日本鯨類研究所」(ICR)の要請に基づき下されたこの禁止命令では、抗議船が捕鯨船から450メートル以内に近づいてはならないとしている。抗議活動家らは以前の抗議活動で、塗料や悪臭を放つ酪酸の入ったガラス瓶を捕鯨船に投げつけており、捕鯨隊員らは高圧放水砲で応酬してきた。
オーストラリアは調査捕鯨を含む一切の商業捕鯨に反対しており、これまでも南洋の捕鯨禁止海域での捕鯨に懸念を表明してきた。今回の4か国による声明文では、国際捕鯨委員会による商業捕鯨の全世界的な一時停止を支持している。