【キャンベラ14日AAP】 シドニー大学が行った調査によると、銃を所有するオーストラリア人の数はこの10年で増加傾向にあることが分かった。オーストラリアでは、1996年に発生した無差別射殺事件の後、銃規制が強化された。
「ポート・アーサー事件」として知られるこの無差別大量殺人事件は1996年4月、TAS州ポート・アーサーのカフェで、男性客がライフルで無差別に発砲を始め、35人が死亡、23人が負傷するという大惨事になったもの。この事件を期に当時のハワード首相は半自動ライフルやポンプアクションショットガンの所有禁止や銃に関する規制を強化する法律を施行。また、政府は規制対象となった銃の買い戻しをし、70万丁の銃が回収された。
シドニー大学・公共健康専攻学部のアルパーズ教授による調査結果によると、この事件の後、多くの人々が買い取りを希望せず自主的に銃を提出したことが分かった。また現在、国内で銃を所有する人の数はおよそ320万人だが、この数は増加傾向にあるという。
オーストラリア犯罪研究所の調査結果によると、1980年後半以降、銃殺事件は確実に減少しており、その数は刃物による殺人件数を大きく下回っていることから、アルパーズ教授は、銃買い戻し制度導入で銃所有者が減少したことで銃殺件数は半減したとしている。