【キャンベラ10日AAP】 8日に死去したサッチャー元英首相(享年87)が「臆面もない人種差別者」だったと述べたカー外相に対し、自由党のジュリー・ビショップ氏は故サッチャー氏の家族に謝罪すべきだと批判した。
カー外相はABCのテレビ番組の中で、当時英首相だったサッチャー氏との会話を回想。外相の妻でマレーシア出身のヘレナさんがふたりの近くにいた席で、サッチャー氏はオーストラリアがアジア人移民に乗っ取られる危険があると警告したという。「先住民であるヨーロッパ入植者が移民に取って代わられてしまう」との主張を聞いた外相は、サッチャー氏を「臆面もない人種差別者」だったと語った。
これを受けてビショップ氏は、「亡くなった後で、(外相が)このような声明を出すと決心したのは、20世紀のもっとも優れたリーダーのひとりとしての評判をないがしろにしようという軽率な試み」だと強く非難した。また、サッチャー氏の家族への即座の謝罪を要請した。