【シドニー2日AAP】 韓国の国家情報院がオーストラリア政府の高官に近づき、通商上の機密情報を入手するスパイ事件が2010年に発生していたことが明らかにされた。
フェアファックス社の報道によると、オーストラリア保安情報機構(ASIO)は同年、農業資源経済科学局の農業貿易専門家、ヨン・キム上級係官が、韓国情報院の渉外係とされる外交官と不適切に接触した疑いを持ったという。キム氏は韓国の牛肉市場の研究主任を当時担当しており、前年に行われたオーストラリアと韓国の二か国間自由貿易協定の第3回交渉にも参加していた。
2010年10月、科学局はキム氏に内部面談を実施。その11か月後、国家保安上の問題があるとして免職処分を受けた。
一方、ASIOは韓国のスパイ行為がオーストラリアの利権を害する「不適切な行動」だとしながらも、両国の良好関係を保つため、スパイらを国外追放するだけにとどまり、事件の内容やスパイらの身元の公表を控えたとされる。