【ブリスベン4日AAP】 グレートバリアリーフは、来月、ユネスコによって「危機にさらされている世界遺産リスト」(危機遺産リスト)に加えられる可能性があることが明らかになった。
ユネスコと国際自然保護連合(IUCN)によるグレートバリアリーフの環境評価が4日、発表され、6月に危機遺産リストに加えられるのを避けるためには、決定的な措置がとられなければならないと警告した。
報告では、連邦政府とQLD州政府が水質改善や、珊瑚礁に影響を与える沿岸開発を停止させることができなかったと指摘している。
沿岸開発については、連邦政府も州政府も、珊瑚礁に隣接している港湾開発についての明確な規制方針を持っていないとした。そのうえ、およそ43の計画案が、現在、審査されているという。
ユネスコとIUCNでは、「この現状は、世界的に貴重な資産に対する潜在的な脅威を意味する」と、危惧している。
グリーンズの連邦上院議員、ラリッサ・ウォーターズ氏は、世界遺産委員会の指摘を法律として議員提案するので、法案の支持を労働党と自由党に働きかけている。
同上院議員は、「ニューマンQLD州首相とギラード政権は、グレートバリアリーフの近くに巨大な港湾施設の建設を推進している」「グレートバリアリーフの保護は政治の枠を越えてしなければならず、すべての党派が法案を支持するように」と語った。
なお、ギラード首相は、政府としてグレートバリアリーフを世界遺産として保存することを約束するとし、「2週間前に、グレートバリアリーフ環境保全のため2億ドルを拠出すると発表した。将来にわたっての保全を確約する」と、記者団に語った。