【キャンベラ4日AAP】 家畜の生体輸出に関して、ラドウィッグ連邦農林水産相は、安全性が確認できれば、現在停止されている生体輸出が解禁されることになると話した。
家畜の輸出業界では、動物愛護団体アニマル・オーストラリアによって、昨年10月と今年4月に、エジプトに輸出した牛の屠殺の様子を写したビデオが明らかになって以来、自主的に輸出を停止。いまでも3000頭の牛がエジプトの飼育場に留め置かれている。
オーストラリア家畜輸出評議会では、ビデオには負傷した牛が、「猛烈で、容赦ない方法で虐殺」されている模様が映し出されているという。
同評議会の最高責任者、ペンフォールド氏は、昨年、ビデオに映された屠殺場を視察し、国際的な基準を満たしていると判断していたが、「なぜ、基準を守らずに虐殺が行なわれたのか明らかにし、再びこのようなことが起きないようにしたい」と述べた。
農林水産省では、在エジプト・オーストラリア大使とエジプト当局に連絡を取り、協力を求めている。
エジプトでは2006年にも屠殺場での虐殺が判明して、輸出が停止されたことがある。
グリーンズは、政府には家畜の生体輸出を管理できないことが明らかになったとし、「政府は海外での家畜の虐殺を取り締まることができないことを認め、輸出業界には加工した肉の輸出拡大を指導すべきだ」と、批判した。